清流

五時半位に起きた。もう明るい。コンビニで温かいお茶とおにぎりを買い、体温を上げながら車でゴー。
高森峠を越えると霧がかかってた。長い国見トンネルを抜け、目的地の椎葉村へ。急峻な山と川、滝、森の緑にちょっと嬉しくなる。山躑躅と照葉樹の花が綺麗。でも見える範囲の山はてっぺんまで植林伐採天災で荒れた感じでかなりガッカリ。道路は工事中が多い。数年前に滝が見つかった場所への林道入り口があったが、その辺りの森がイマイチな感じだったのでダムの上流域へ行くことにした。
ダムを見渡す休憩所には芝生と綺麗なトイレがあった。キャンプしてる人がいた。道は狭くなり、ダムを過ぎると工事中や、崩れたままの所、未舗装路が増える。川では沢山の人がエノハ(山女)釣りをしていた。道が崩れて車で通れなくなるまで行ったが山は何処まで行っても同じ感じだった。でも川は最高!やった。トイレありのキャンプ場があったのでそこに車を停め、散策。キャンプ場の所に高い堰があり、大物はそれより下にしか居なさそうだった。しかし下流には釣り人が多く人目が気になるし、野宿に陣取るような平地もあまりなさそうだったので、上流へ歩くことにした。水は冷たく、五秒が限界やった。川沿いはやめて、川を見下ろす様に走る林道を歩いた。途中で崩れていなければ車で熊本の矢部へ抜けることが出来る。ライダーカップルが矢部方面へ走っていった。山躑躅と藤の花と何だか分からない白い花がが目に付く。新緑も綺麗やった。道には所々山壁から沢が流れていて、川も幾つか越えるので、水には困らんツーリングに良い道だと思った。
運良く、川へ降りる踏み跡を見つけたのでそれを辿る。かなり急やった。登るのにひとくろうやな、と思った。川まで降りて、登り口が分からなくならない様に写メった。そこはかつてつり橋があった様だ。錆びたワイヤーが残っていた。そこの大岩の直ぐ裏にイイ感じに石の川原が十畳程に広がってたのでそこに泊まる事にした。大岩の陰は雨も凌げそうやった。今回は運が良いと思った。
もう昼になっていたので、ざる蕎麦を作って食った。ざるはないけど旨い。壱なめに貰ったハンモックを張ってみた。太いロープが無くてちょっと心細かったが、大丈夫な様だ。かなり調子イイ!満腹の身体にせせらぎの音と木漏れ日が心地よい。ひと眠りした。
そして日差しが弱くなったところで今回のメインプログラム、渓流釣りに挑戦!川の水は透き通っていて、魚の泳ぐ姿が丸見えだ。大物は目にしなかったが、数はいる様だ。時々水面で羽虫を捕らえる。そこで先ずは毛鉤を投げてみた。軽すぎて思った所に投げられない。重りを付けてみた。沈んでしまう。羽虫とは違うような気がする。重りを外し、流れに乗せて流してみる。中々思った所には行かないが、それなりに羽虫っぽい。でもアタリは無い。流れの激しい所では毛鉤を見失ってしまう。あきらめて、小さな金属製のミノーを投げてみる。やはり激流では見失うし、岩に引っかかる。下手くそには難しい。淵で投げてみる。魚どもが追う!追う!でも食わない。色々なアクションを試してみるが駄目だった。暗くなってきて、雨も降り出してきたので諦めて晩飯に。インスタントの大豆ヒジキ御飯と味噌汁。本当はこれにエノハの塩焼きが付く筈だったのだが・・・でも旨い。